貴重な資料を菊池京子さんが見せてくれました。コピーですが、戦前は”参謀本部の地図”と呼ばれていた(今は国土地理院の)5万分の一地図です。明治43年(左)と昭和2年発行(右)の黒田原付近です。
見どころは鉄道線路です。左図は1887年(明治20年)に開通の東北本線で駅名の「くろだはら」を見つけてください。それが勾配とカーブがきついのでほぼ今の路線に付け替え開通したのが1920年(大正9年)です。左図での黒田原駅の位置が、右図では上(北)に移っているのを確かめて下さい。さらに線路を見ると大分直線に近く白河方面に延びているのが分かります。大変な工事だったようです。
どうして最初から変更しないで済むように作らなかったのでしょうか。それは土木技術の進歩に関係し、長い鉄橋や長いトンネルはできるだけ敬遠し、自然の地形に逆らわないようにしたからです。