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国破れて山河在り 城春にして草木深し       【Mr.Xより】

杜甫が長安で獄中にあって詠んだ「春望」の最初のフレーズがふと頭をよぎりました。未だにがれきの処分も進まぬ被災地や、日ごとに知らされる放射線の汚染実態、また、その生まれ育ったふる里に二度と戻れない人がいるという事実。杜甫の時代はたとえ、戦乱によって国が破れようとも、故郷の山河は残り、やがて来る春に希望をつなぐこともできました。それに較べると、放射能で汚染された地には、目に入る景色には山河があろうとも、そこに春の望みがあるのでしょうか。この荒んだ人の気持ちを思えば、政治は何を為すべきか、東電は誰に目を向けるべきか(決して株主ではないはず)、改めて問うこともありません。

那須町が線量計の貸出を始めたとのこと。当局が正しい情報を、タイムリーに云わないこの国ですから、自ら調べ、自ら対策をするためには助かります。事実を知らない怖さより、事実を知ることでの安心があると信じます。夏休みには子供たちが来るでしょうから、この機会を利用されて、村内での汚染マップを作り、少しでも子供たちの被曝を避けるようにするのが大事なことだと思います。

 春 望

国破山河在
城春草木深
感時花濺涙
恨別鳥心驚
烽火連三月
家書抵萬金
白頭掻更短
渾欲不勝簪

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★読者の皆さまへ:NHKスペシャル「シリーズ原発危機 第2回 広がる放射能汚染」が、本日7月9日(土)NHK総合16:30〜17:20に再放送されます。見逃された方、特に自然村会員の方はぜひご覧ください。  (7/9世話人)